口臭予防に効果的な舌ブラシ。製品の種類も多いので、「何を買ったらいいのか分からない」という人もいるでしょう。
今回は、人気商品を実際に購入し、それぞれのよさ・悪さ・特徴をまとめました。舌ブラシを買ってみようと思っている人、今ある舌ブラシに満足していない人は、必見です。
舌ブラシとは
「舌ブラシ」とは、舌の表面の汚れを取り除く用具のことです。口臭予防や口内環境の改善の効果が期待でき、「舌クリーナー」と呼ばれることもあります。薬局などで購入できます。
実は、舌の表面には無数の凹凸があり、細菌が住むには絶好の環境なんです。舌で菌が大量に繁殖し、口臭の原因になることがあります。
しかし、「歯ブラシで舌を磨けばいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、「歯ブラシ」はあくまで「歯」を磨くための用具です。柔らかく傷つきやすい「舌」を磨くことは想定していません。
そのため、舌を傷つけ、細菌感染につながるケースがあります。そのようなリスクを避け、かつ口臭予防するためには、舌を磨くための「舌ブラシ」を使うのがおすすめです。
舌ブラシ 人気商品を全部買ってみた
Amazonで、「舌ブラシ」と検索したところ、3000件以上ヒットしました。
今回は、Amazonの人気商品を5つ、実際に購入してみました。
舌ブラシ選びのポイント
一口に「舌ブラシ」といっても、形状・材質・長さなどは、商品によってさまざまです。まずは、判断基準になる「よくある違い」をご紹介します。
➀先端の形状
今回は、代表的な3種類をご紹介します。「ブラシ」型、「スポンジ」型、「ヘラ」型です。
ブラシ
歯ブラシのように毛先で磨くタイプです。「舌ブラシ」系商品の中では、比較的オーソドックスなタイプです。
舌を傷つけないように、比較的柔らかい毛(ナイロン素材のもの)が使われていることが多いです。
ただ、毛先の柔らかさ、毛先の長さ、ブラシの形などは、商品ごとに個性があります。自分の舌の形状に合ったものを選びましょう。
スポンジ
スポンジ状の先端部に水を含ませ、舌の汚れを拭き取るタイプです。使い捨てであることが多いです。
舌を傷つけにくい・衛生的といった利点があります。一方、一日に何度も磨きたい人にとっては、割高になってしまう可能性があります。
ヘラ
「舌クリーナー」という名称で販売されていることが多いです。
曲線状の金属を口の奥から前方に移動させ、汚れを掻き出すタイプです。ブラシ型のように「毛先が曲がる」こともないので、使い続けることができます。
煮沸消毒できるものもあります。クリーナー自体の掃除は、それほど手間がかかりません。
表面に汚れが溜まるので、「掃除している」という実感を強く感じます。
➁グリップ部分
グリップ部分の長さ・形状・材質はさまざまです。
ものによっては、手に馴染むように微妙に曲がっていたり、凹凸があったりします。
「先端の形状」と比べると重要度が低いように思われがちですが、手に馴染むものを使用することで、はじめて先端に力が伝わります。
また、十分な長さがあることで、はじめて舌の奥まできれいにすることができます。
➂付属品
商品によっては、「舌みがき粉」や「舌ブラシケース」がついていることがあります。
「舌みがき粉」は、必ず使用しなければならないものではありません。しかし、汚れを浮かせる効果や消臭効果により、舌ブラシの効力を高めることができます。
また、旅行先などに持って行く場合には、「舌ブラシケース」は重宝します。
ただ、これらは別途購入することもできます。
実際に使ってみてわかった、おすすめ舌ブラシ比較
今回は各歯ブラシの機能を試すため、ブルーハワイを口に含み、舌を汚しました。その上で、舌ブラシを使用し、どれくらいキレイになるか検証しました。
使用したのは、Amazonで購入した「MONIN(モナン) ブルーキュラソウシロップ」(494円)です。
各商品の外観・特徴と一緒に、実験結果をご紹介します。
➀リクープ 舌ブラシ グリーン 2本セット
ブラシ型の商品です。
先端は逆三角の形に植毛されています。柔らかめのナイロン素材を使用しているため、多少力を込めても、舌は痛くなかったです。
ブラシが接する面積は、比較的大きめです。そのため、1度に舌の半分くらいを網羅することができます。
印象的だったのが、「握りやすさ」です。親指部分が大きくへこんでおり、手にフィットしました。
また、メーカーは「軽さ」というのも1つの魅力だとしています。グリップ部分に穴が開いている分、多少の軽量化を実現しているようです。
上の写真が、実証結果です。左が初期、真ん中が10回こすった時の舌、右が20回こすった時の舌です。真ん中の段階で、かなり着色料が落ちています。
汚れや細菌除去の際にも、一定の効果が期待できます。
一方、実際に磨いてみても、特筆すべき点は見当たりませんでした。他の人気商品と比較すると、「安くてシンプル舌ブラシ」という位置づけになりそうです。
➁NONIO 舌クリーナー+舌専用クリーニングジェル
Amazon限定のセットです。舌専用クリーニングジェルがついてきます。
ブラシ部分は、柔らかめのナイロン素材を使用していました。多少力を込めて磨いてみても、痛みはありません。
ブラシが接する面積は、比較的小さめです。そのため、舌全体を網羅するためには、少し手間がかかります。
一番の魅力は、「ブラシ」「ラバー・スクレーパー」の2段構造で汚れを掻き出す仕組みです。先端についているピンク色のゴムは、ブラシで浮かせた汚れをキャッチし、掻き取ります。
上の写真が、実証結果です。左が初期、真ん中が10回こすった時の舌、右が20回こすった時の舌です。
真ん中の段階で、かなり着色料が落ちています。汚れや細菌除去の際にも、一定の効果が期待できます。
クリーニングジェルがついた本商品は、特に舌磨きを比較的しっかりやりたい人におすすめです。
ジェルをつけて磨くと、キメの細かい泡がたちました。より「洗えている感」を感じることができました。また、磨き終えると、口の中に清涼感が広がりました。一時的かもしれませんが、強い消臭効果もあると感じました。
上の実験は、ジェル未使用です。なくても十分汚れは落ちるので、「時間があるときだけ」という感じでよいと思います。
➂舌ブラシ W-1 (ダブルワン)
新潟大学大学院医歯学総合研究科の井上教授との共同開発で完成した商品です。
分類上は「ブラシ」型ですが、毛の質感が一般的なものとは異なります。素材は「特殊ナイロン」、マジックテープのループ面のような触感です。
通常のブラシタイプは、毛先を強く押し付けることで、舌を傷つけてしまうことがあります。一方、ヘラタイプは、舌のへこんだ部分の細菌まで掻き出せないことがあります。
一方、本商品は「極細ナイロン繊維で汚れを絡めとる」ことができます。舌を傷つけず、かつへこんだ部分の汚れを取り除くことができます。
さらに、凸面・凹面の2種類が、1本の表・裏についています。舌の部位・形状に合わせて使い分けることができます。
一方、レビューでは「舌の表面の皮膚のイボイボに糸が絡まった」という声もありました。舌の奥にはイボイボやブツブツがたくさんあります。使用する際には、奥のほうまで入れすぎないように注意が必要です。
上の写真が、実証結果です。左が初期、真ん中が10回こすった時の舌、右が20回こすった時の舌です。
真ん中の段階で、かなり着色料が落ちています。他のブラシ系商品と比較しても、きれいになるスピードは速かったです。汚れや細菌除去の際にも、高い効果が期待できます。
毛先は立っておらず、舌に当てても全く痛くありませんでした。それなのに、表面の汚れがスイスイ落ちていったので、非常に気持ちよかったです。
一方、凸面・凹面の2種類を適切に使い分けるのが難しかったです。使い込むことで、より効率よく舌磨きができるようになるかもしれません。
➃マウスピュア 口腔ケアスポンジ 紙軸Mサイズ 50本
スポンジタイプの商品です。舌以外にも、歯の表面や歯茎にも使用できます。使い捨てなので、衛生的です。
スポンジ状の先端部に少量の水を含ませ、使用します。舌に当てると、水がじゅわっと出てきました。水と一緒にスポンジを当てているため、「うまく舌を洗えている」という感覚がありました。
グリップは、長さは十分なものの、少し持ちづらいです。使い捨てなので、コストを抑えているのでしょう。スポンジ部分が一回り小さい、Sサイズの商品もあります。
上の写真が、実証結果です。左が初期、真ん中が5回こすった時の舌、右が10回こすった時の舌です。
5回の段階でかなり汚れが落ちたと感じました。汚れや細菌除去の際にも、一定の効果が期待できます。
本商品は、歯の表面や歯茎にも使用できるため、「歯ブラシとこれ一方で、口内清掃が簡潔する」ことになります。舌以外にも磨きたい人におすすめです。
ただ、舌専用ではないこともあり、舌へのフィット感は感じませんでした。こだわりを持って舌を磨きたい人には向かないと思います。
➄タングスクレーパー舌用 SD-18 lobon
曲線状の金属を口の奥から前方に移動させ、汚れを掻き出すタイプです。ブラシ型のように「毛先が曲がる」こともないので、使い続けることができます。
実際に使用してみると、舌に付着していた汚れが分かりやすく溜まります。「掻き出している感」は非常に強いです。
また、ブラシ型やスポンジ型と比べて横に広いため、一度で舌全体を網羅することができました。
しかし、グリップ部分が小さく、つまむような形になりました。もちろん力を入れなくても汚れは取れていくのですが、手のフィット感はありませんでした。
また、「ただの金属を舌に滑らせているだけ」という低評価レビューがありましたが、こちらも理解できます。正直、構造的に画期的なものは感じられませんでした。
上の写真が、実証結果です。左が初期、真ん中が5回こすった時の舌、右が10回こすった時の舌です。
5回の段階でかなり汚れが落ちたと感じました。汚れや細菌除去の際にも、一定の効果が期待できます。
一度で舌全体を網羅することができるので、10秒程度で舌掃除を終えることも可能です。「舌磨きを短時間で終わらせたい人」におすすめです。
比較表
商品ごとの特徴をまとめました。
汚れを除去する能力には、大きな差異が見られませんでした。人気商品というだけあり、どれも相応の機能を有しています。
付属品なし舌専用クリーニングジェルなしなしクリーナー入れ
➀ | ➁ | ➂ | ➃ | ➄ | |
---|---|---|---|---|---|
名称 | リクープ 舌ブラシ | NONIO 舌クリーナー | 舌ブラシ W-1 | マウスピュア 口腔ケアスポンジ | SD-18 lobon |
型 | ブラシ | ブラシ | ブラシ亜種 | スポンジ | ヘラ |
先端の材質 | ナイロン | ナイロン | 特殊ナイロン | ウレタン | ステンレス |
グリップの長さ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
本数 | 2本 | 1本 | 1本 | 50本 | 1個 |
付属品 | なし | 舌専用クリーニングジェル | なし | なし | クリーナー入れ |
値段 | 540円 | 667円 | 339円 | 1374円 | 1299円 |
会社 | ピジョン株式会社 | ライオン株式会社 | SHIKIEN株式会社 | 川本産業株式会社 | Lobon |
おすすめ層 | 安く磨きたい | 時間かけて消臭 | 万人におすすめ | 舌以外も磨きたい | 時短で磨きたい |
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調べてみて
「たかが舌ブラシ、どれも同じでは」とたかをくくってのぞんだ本企画。商品ごとの個性の多彩さに驚かされました。
個人的なお気に入りは、➂「舌ブラシ W-1」、ブラシ型・ヘラ型の欠点をうまく補っているように感じました。舌を傷つけるリスクも少なく、初心者でも安心して使えそうです。